花粉症
杉
日本では約2千5百万人の人が 2月中旬から4月にかけて杉の花粉症に悩まされていると言われています。杉花粉は春の花粉症の代表的な原因の一つです。症状には、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喘息、咳、頭痛、 目の充血や痒みなどが含まれます。
環境庁によれば、2015年の杉花粉の時期は過去10年の平均より早く始まり、その花粉量は前年に比べて2倍近いとされています。
増加を続ける杉花粉症
春の花粉シーズンは20 年前に比べて2週間も早く始まり、また長く続くようになっています。天候の変化も原因の一つかもしれません。温暖化によって開花時期が早まり、また花粉の量も増えています。科学者は花粉量と大気中の一酸化炭素などの量に関係があることを指摘しています。サイエン・スデイリー誌は温暖化と大気汚染が進む中でアレルギー症状に苦しむ人が増えるであろうと推測しています。90年代後半には 日本人の5人に一人が花粉症でした。それからたった7年後、その割合は3人に一人になり、さらに増加を続けています。さらに花粉の飛散量に加え、中国から粒子の細かい大気汚染物質が飛来しており、問題を複雑にしています。
なぜ杉花粉症が多いのか
日本の国土面積の約7割(2,508万ヘクタール)は森林面積で、戦前は多様な樹木に覆われていました。戦後、復興や経済発展による需要に応えるため、成長が早い杉の造林が推進された結果、現在、 森林面積の18%を杉人工林が占めています。世界一杉の生産量が多いのも日本です。杉の木が花粉を生産するようになるのは樹齢30 年を過ぎてからなので、それまでは杉造林 による問題は認識されませんでした。したがって、近年、杉の植林が減少傾向にあっても、次々に樹齢30年を超える杉林があるため、花粉量は当分の間、高いレベルに留まると予想されます。現在日本には約46億本の杉の木があると推定されており、花粉の時期にそれを避けることは不可能なため、多くの人が症状に悩まされています。
ヒノキ
ヒノキは杉に次いで春の花粉症の大きな原因となっています。杉より開花が遅く、3月後半から5月にかけて花粉を飛散させます。杉とヒノキの両方に反応する人が多いため、そうした人たちはヒノキが開花すると症状が悪化することになります。ヒノキは日本の南半分の地域で戦後盛んに植林されました。寺院の建材や家具、風呂桶の材料として好まれています。
ブタクサ
ブタクサは秋の花粉症の原因の代表的なものです。ブタクサに反応する人の数は杉やヒノキほど多くありませんが、それでも何百万人という人が不快な症状に悩まされます。それらの症状には、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喘息、喉や耳の痒み、目の腫れ、充血、痒みなどです。ブタクサの花粉の時期は8月中旬から10月にかけてで、飛散量は日中に高くなります。ブタクサの開花時期、人によってはメロン、スイカ、バナナ、キュウリ、ズッキーニなどを食べたりカモミール茶を飲んだりした後に口の中にしびれを感じることがあります。ブタクサの開花時期には他の食品に対して過敏になる人が増える傾向があります。
花粉症の主な原因と時期
杉 | 2月から4月 | |
ヒノキ | 3月中旬から5月初旬 | |
稲 | 5月から7月中旬と8月中旬から10月 | |
ブタクサ | 8月中旬から10月 | |
ヨモギ | 8月中旬から10月 |
花粉情報リンク
たくさんの人が杉アレルギーで苦しんでいます。 花粉の季節において地域の花粉飛散量を把握しておくのはいいと思います。1年間の花粉飛散量の情報が分かるリンクをいくつか紹介します。